不動産業と賃貸経営をしているので、マンションについて聞かれることがある。
「そろそろマンションを買おうと思うんだけど、なんかアドバイスない?」と。
ファミリー、単身(40代独身や離婚してシングルに戻った人が多い)、状況も希望物件も様々。大体は気になっている物件がすでにあり、マイソクを見せてくれる。
住む家は(投資用ではないので)、その人の経済力や価値観によって決めればよく、特に私が何か言うことはないと思っている。
でも、それではあんまり不人情なので、不動産投資家+不動産屋の立場として、いくつか話すことがある。もちろん、「私ならば」という前提付きで。
1)新築を避ける
新築マンションのきらびやかさは魅力的。
ピカピカの外観や最新の設備、素敵なプロモーションビデオ、とどめはショールーム。
この状況で営業マンからたくみに誘導されると、頭金が少々足りないことも月々のローンもなんとかなるような気がしてくるらしい。
ただ、こうした広告宣伝費が上乗せされていることを自覚し、雰囲気にのまれないよう冷静になることをつよくおすすめしている。
営業マンの「今日中に契約すれば~」とか「残り1室」も信じてはいけない。
新築で購入して、購入時より高く売却できるのは立地がよくてブランドのある物件のみ。
それから、住宅ローンは低金利だが、金利上昇リスクについても意識しておきたい。
2)賃料相場を調べる
賃貸に出したらいくら賃料がとれそうか調べること。
一生住むつもりで購入しても、その後、貸しに出す状況はいくつか考えられる。ファミリーの場合は転勤、シングルの場合は結婚など。
他にも親の介護や同居のため分譲マンションから転居した人を知っている。
なので、賃料の相場を調べ、ローンとの差を意識しておくことが大事。
そして、近隣相場のマンションの利回りを調べ、売却したときの価格をざっくり意識しておく。
3)立地を重視する
駅から徒歩20分でも(自分は)OKという人がいる。
通勤がいい運動になるし、住環境がよいからという理由。
しかし、売却の時、売りやすく値が下がりにくいのは、立地のよいところ。
多くの人が欲しがる物件の方がベターと考え、私なら、郊外で駅から遠い広い物件より、都心に近い駅から10分以内の狭めの物件の方を買う、ということになる。
「マンションを買うなら60㎡にしなさい」はタイトルはキャッチ―だが、まじめな本。
「資産価値が落ちないマンション」探しをテーマに60㎡の根拠を紹介、マンション選びの参考になると思う。
私自身は賃貸に住み、自分の法人の事務所・社宅として賃料を経費としている。
区分を購入する場合、すべて仕入れとしてだが、最悪、自分で住んでもいいかなという目線は常にもっている。
正直、理想の我が家のイメージがあまりなく、引越し大好きなので、しばらくはマイホームを買うことはないかな。