私は収益物件の売買仲介もしている。
扱う物件は2~5億の1棟ものが多い。
自分もオーナーとして賃貸経営をしているので、お客さんの立場・気持ちはすごくよくわかるつもり。
会社の方針として、ひとりのお客さんに10億くらい買ってもらいたいので、深く長いつきあいを心掛けている。
こういうスタンスなので、お客さんとの相性は結構重要。
お金があっても「この人には売りたくないなー」というケースは間々あり、たいていは3パターンに分かれる。
(1)横柄でわがまま
「手数料払うんだから、自分の言うことを聞け」とばかりに無茶を言うタイプ。
ビジネスなので条件交渉は当然だし、こちらもがんばるのだが、そういうリクエストではなく、気に入らないことが起きると、人格否定したり暴言をはいたり…。
自分のやり方を押し通そうとする人は、いくらお客さんでも限度がある。
いくらお金があっても、こういう人とは取引しないようにしている。
(2)自己開示しない
業者には必要最低限しか情報を開示しないと心に決めているタイプ。
買付をもらったので、顧客のプロフィールシートの提出をお願いすると、ほぼ白紙。
家族構成、資産情報、所有物件をひたすら隠す。
銀行融資がなければ、それでもいいけれど、こちらで融資をアレンジするときは手間がかかる。
元付の物件だと、売主にどんな人から買付が入ったか説明するので、もう少し心を開いてほしいタイプ。
(3)嘘つき
一見人当たりがよいけれど、言っていることの辻褄が合わない人。
当初申告のあった金融資産が実際はかなり少なかったり、他の物件にこっそり買付を入れてたり、何かと後から不都合が露見するタイプ。
以前は売上のためと思って嫌なお客さんを我慢していたが、ストレスで体調をくずしそうになり、なんだかバカバカしくなった。
今は入口のところでお客さんを選ぶようにし、嫌ではない人とだけ取引するようにしている。
社長からは時々、「もっと売れ」と言われるけれど、スルー。それなりの売上はあるので、少々の小言で済んでいる。
あと自分の物件(賃料収入)があるのも大きい。気持ちの余裕が違う。
そういう点でも不動産を買う会社員の人の気持ちがよくわかる。